市場調査の方法は? 手法や具体的な手順、調査項目を詳細に解説

市場調査の方法は? 手法や具体的な手順、調査項目を詳細に解説

公開日 2026/02/06

最終更新日 2026/06/08

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市場調査は、情報をたくさん集める作業ではありません。新規事業、海外展開、商品開発、投資判断などで「何を決めるために、どの情報が必要か」を整理し、判断材料として使える形にする作業です。

市場調査の基本は、まず既存情報を確認し、足りない情報だけを追加で調べることです。公的統計や官公庁資料、業界団体資料、企業IR、市場調査レポートで市場の輪郭をつかみ、必要に応じてアンケートやインタビューで顧客の意向や背景を確認します。

特に海外市場やニッチ市場を調べる場合、無料で取得できる情報だけでは、市場規模、成長率、主要プレイヤー、セグメント別動向、規制、価格帯まで十分にそろわないことがあります。その場合は、海外の市場調査レポートや専門家への追加調査を組み合わせると、意思決定に使いやすい材料を短期間で集めやすくなります。

  • 市場調査のやり方と実務で使いやすい進め方
    目的設定、仮説設計、既存情報の収集、調査手法の選定、分析、意思決定までの流れを整理できます。

  • 市場調査で確認すべき調査項目
    市場規模、成長率、顧客セグメント、競合、価格、流通、規制、技術動向など、事業判断に必要な項目を把握できます。

  • 公開統計、市場調査レポート、アンケート、インタビューの使い分け
    既存データで確認できることと、自社で追加調査すべきことを切り分けられます。

市場調査とは、市場規模、需要動向、顧客ニーズ、競合状況、価格帯、流通構造などを調べ、事業判断に使える情報へ整理する活動です。

市場調査の目的は、「詳しく知ること」ではなく「判断できる状態にすること」です。新規参入すべきか、どの国を優先すべきか、どの顧客層に売るべきか、どの価格帯なら成立するか。こうした問いに答えるために、必要なデータを集めます。

たとえば、海外市場への参入を検討する場合、市場規模が大きいだけでは十分な判断材料になりません。成長率、規制、主要プレイヤー、販売チャネル、価格帯、現地顧客の購買基準まで確認して初めて、参入の現実味を評価できます。

市場調査とマーケティングリサーチの違い

市場調査は、マーケティングリサーチの土台になる情報収集・分析です。市場調査では市場や顧客、競合の現状把握に重点を置きます。マーケティングリサーチでは、その結果を商品、価格、販促、流通などの施策検討へつなげます。

項目市場調査マーケティングリサーチ
主な目的市場や顧客、競合の実態を把握する調査結果をもとに施策を決める
主な対象市場規模、成長率、需要、競合、顧客属性商品、価格、販促、チャネル、ブランド評価
時間軸現状把握、過去推移、将来予測将来の施策立案、改善
成果物調査結果、分析レポート、示唆施策案、戦略、実行計画

市場調査で集めた情報が粗いと、その後の事業計画やマーケティング施策も粗くなります。反対に、最初の調査で論点を押さえられれば、仮説検証や社内合意形成の精度が上がります。

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市場調査は、次の7ステップで進めると、情報収集だけで終わらず、意思決定に接続しやすくなります。

  1. 調査目的と意思決定事項を決める
  2. 仮説と必要なデータを整理する
  3. 既存情報を収集する
  4. 調査方法を選定する
  5. 調査項目と質問を設計する
  6. 調査結果を集計・分析する
  7. 意思決定と次のアクションに落とし込む

ステップ1. 調査目的と意思決定事項を決める

最初に決めるべきことは、「何を知りたいか」ではなく「何を判断したいか」です。

「市場規模を知りたい」という目的だけでは、調査の範囲が広がります。新規参入の可否を判断したいのか、営業ターゲットを絞りたいのか、海外展開先を比較したいのかによって、必要なデータは変わります。

意思決定事項調査で確認すること
新規事業に参入するか市場規模、成長率、参入障壁、競争環境
海外市場を優先するか国別需要、規制、流通、現地競合、価格帯
商品開発を進めるか顧客課題、代替手段、購入意向、支払意思額
投資判断を行うかTAM/SAM/SOM、需要予測、リスク要因、主要企業動向
営業戦略を見直すか顧客セグメント、購買プロセス、意思決定者、導入障壁

調査目的は、社内でそのまま共有できる粒度まで具体化します。たとえば「欧州市場に参入すべきか」ではなく、「ドイツ・フランス・英国のうち、今後3年で優先すべき市場を決める」のように置くと、必要な比較軸が見えます。

※TAM/SAM/SOM:TAMは理論上の最大市場、SAMは自社が狙える対象市場、SOMは現実的に獲得できる市場を指す市場規模の整理方法。

ステップ2. 仮説と必要なデータを整理する

次に、調査前の仮説を置きます。仮説があると、調べるべき論点と不要な情報を分けやすくなります。

たとえば、医療機器の海外展開を検討する場合、次のように整理できます。

仮説必要なデータ
高齢化が進む国ほど需要が伸びる年齢構成、疾患数、医療支出、市場成長率
既存競合が強い国では参入が難しい市場シェア、主要企業、販売代理店、価格帯
規制対応が重い国では初期投資が増える認証制度、承認期間、必要書類、現地パートナー要件
一部用途ではプレミアム価格を設定できる顧客セグメント、購買基準、支払意思額、代替製品

仮説は、調査前の仮置きです。正解である必要はありません。調査を通じて、仮説が正しいのか、条件付きで成立するのか、そもそも前提がずれているのかを確認します。

ステップ3. 既存情報を収集する

市場調査では、いきなりアンケートやインタビューを始めるよりも、先に既存情報を確認したほうが効率的です。

既存情報には、公的統計、官公庁資料、業界団体資料、企業IR、学術論文、シンクタンクの公開レポート、市場調査レポートなどがあります。これらを先に読むと、市場の全体像、主要な論点、足りない情報が見えてきます。

情報源把握しやすい情報向いている用途
公的統計人口、産業、貿易、事業所数、消費動向市場の土台となるマクロ情報の把握
官公庁資料政策、規制、制度、産業課題規制・制度リスクの確認
業界団体資料業界構造、出荷量、会員企業、技術動向業界の基礎理解
企業IR資料売上、事業戦略、地域別展開、投資方針競合分析、主要企業の動向把握
市場調査レポート市場規模、成長率、予測、主要企業、セグメント海外市場・ニッチ市場・専門領域の把握
学術論文技術動向、研究開発、評価方法技術起点の市場理解

国内市場の基礎データなら、e-Statで人口、産業、家計、商業、労働などの政府統計を確認できます。海外市場なら、JETROの国・地域別調査レポート、World Bank Open Data、OECD Dataなども候補になります。

ただし、公的統計は業界や製品カテゴリの粒度が粗い場合があります。たとえば「半導体製造装置用の特定部材」「北米の医療用AIソフトウェア」「東南アジアの産業用ロボット部品」のようなテーマでは、無料の統計だけでは市場規模や競争環境を把握しにくいことがあります。その場合は、市場調査レポートで専門領域のデータを補うのが現実的です。

※デスクリサーチ:公的統計、既存レポート、論文、IR資料など、すでに公開・販売されている情報を調べる手法。

出典:総務省統計局・統計センター「政府統計の総合窓口(e-Stat)」https://www.e-stat.go.jp/
出典:日本貿易振興機構(JETRO)「調査レポート」https://www.jetro.go.jp/world/reports/
出典:World Bank「World Bank Open Data」https://data.worldbank.org/
出典:OECD「Data」https://www.oecd.org/en/data.html

ステップ4. 調査方法を選定する

調査方法は、知りたい情報の種類に合わせて選びます。市場全体の規模や割合を知りたい場合は定量調査、顧客の理由や背景を知りたい場合は定性調査が向いています。

知りたいこと向いている調査方法
市場規模や成長率公的統計、市場調査レポート、業界資料
顧客の割合や傾向アンケート調査、既存統計の分析
顧客の不満や購入理由インタビュー調査、ユーザーヒアリング
競合のシェアや戦略市場調査レポート、IR資料、公開情報分析
店舗・現場での行動実地調査、観察調査、覆面調査
技術・規制の変化官公庁資料、学術論文、専門家インタビュー

調査方法は一つに絞る必要はありません。実務では、既存情報で市場の輪郭をつかみ、アンケートで傾向を確認し、インタビューで背景を深掘りする流れがよく使われます。

※定量調査:数値で集計できるデータを集め、割合や傾向を把握する調査。
※定性調査:発言や行動、背景事情を集め、数値だけでは見えにくい理由を把握する調査。

出典:国際協力機構(JICA)「調査手法の選択」https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jica/field/pdf/200701_aid_05.pdf

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ステップ5. 調査項目と質問を設計する

アンケートやインタビューを行う場合は、質問票を作る前に「どの集計表を作るか」を決めます。最終的に見たい表が決まっていないと、質問が増え、回答者の負担も大きくなります。

たとえば、BtoB SaaSの海外展開を検討する場合、次のような調査項目が候補になります。

調査項目確認したいこと
企業属性業種、従業員規模、売上規模、地域
導入状況現在利用しているツール、導入年、契約形態
課題業務上の困りごと、既存ツールへの不満
購買基準機能、価格、サポート、セキュリティ、現地語対応
予算月額・年額の支払許容額、決裁者、予算時期
競合比較対象、乗り換え条件、解約理由

質問文では、回答を誘導しないことが大切です。「この便利な製品を使いたいですか」では、製品への印象が質問文に左右されます。「現在の業務で困っていることは何ですか」「どの条件がそろえば導入を検討しますか」のように、回答者が自分の状況を答えられる形にします。

※クロス集計:性別、年代、業種、地域などの属性別に回答傾向を比較する集計方法。

出典:総務省統計局「調査票の作成」https://www.stat.go.jp/naruhodo/12_ppdac/plan/plan2.html

ステップ6. 調査結果を集計・分析する

調査結果は、単純に数値を並べるだけでは判断材料になりません。目的に対して、どの結果が判断を動かすのかを読み取ります。

アンケートでは、まず単純集計で全体傾向を確認します。その後、年代、地域、業種、企業規模、導入状況などでクロス集計し、差が出ているセグメントを探します。BtoBの調査では、役職や部門、決裁権限の有無でも結果が変わることがあります。

市場調査レポートを読む場合も、数字だけを抜き出すのではなく、前提を確認します。対象地域、対象カテゴリ、調査年、予測期間、算出方法、為替、セグメント定義が違えば、市場規模の数字も変わります。複数のレポートを比較するときは、同じ定義で比較できるかを確認します。

※セグメント:市場や顧客を、用途、地域、業種、規模、価格帯などの共通条件で分けた単位。

ステップ7. 意思決定と次のアクションに落とし込む

市場調査は、レポートを作って終わりではありません。調査結果をもとに、次のアクションを決めます。

たとえば、次のような形で整理すると、社内で判断しやすくなります。

調査結果解釈次のアクション
市場規模は大きいが、既存競合の寡占度が高い正面からの参入は難しい用途・地域・顧客層を絞って再検討する
成長率は高いが、規制対応に時間がかかる短期売上より中期投資向き現地規制と認証要件を追加調査する
顧客課題は強いが、支払意思額が低い価格設計に課題がある提供範囲と価格プランを見直す
市場データが不足している既存情報だけでは判断できない専門家インタビューや追加調査を実施する

調査結果が期待と違う場合も、失敗ではありません。参入を見送る、対象市場を変える、製品仕様を絞る、追加調査を行う。そうした判断ができれば、市場調査の役割は果たしています。

市場調査では、目的に応じて調査項目を選びます。すべてを同じ深さで調べる必要はありません。新規参入や海外展開では、市場規模、成長性、競争環境、規制、顧客ニーズを優先して確認します。

調査項目確認する内容判断に使う場面
市場規模売上金額、販売数量、ユーザー数参入余地、投資規模の判断
成長率過去推移、将来予測、成長要因重点市場の選定
顧客セグメント顧客属性、用途、課題、購買基準ターゲット設定
競合環境主要企業、シェア、強み、価格帯差別化、参入障壁の確認
流通構造販売チャネル、代理店、EC、直販比率販売戦略の設計
価格帯平均価格、プレミアム価格、価格感度価格戦略の検討
規制・制度認証、輸入規制、表示義務、補助金参入リスクの確認
技術動向代替技術、研究開発、特許、標準化中長期リスクの確認

海外市場では、同じ製品カテゴリでも国によって市場の成熟度や購買基準が変わります。たとえば、ある国では価格が最重要でも、別の国では認証取得やアフターサービス体制が重視される場合があります。

そのため、市場規模だけで優先順位を決めるのではなく、「市場規模がある」「成長している」「参入できる」「勝ち筋がある」という4点に分けて確認する必要があります。

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市場調査の手法は、目的と予算、必要な精度によって選びます。最初から大規模な独自調査を行うよりも、デスクリサーチで仮説を絞り込んでから追加調査を行うほうが、費用対効果は高くなります。

手法主な用途向いている場面注意点
デスクリサーチ既存情報の収集市場の全体像をつかむ情報の粒度や更新時期に注意
市場調査レポート専門市場の把握海外市場、ニッチ市場、専門領域対象範囲と定義の確認が必要
アンケート調査数値傾向の把握認知率、利用率、購入意向の確認質問設計で結果がぶれやすい
インタビュー調査理由・背景の把握購買理由、課題、導入障壁の深掘りサンプル数が少なく一般化しにくい
観察調査行動の把握店舗、利用現場、業務プロセスの確認調査員の解釈が入る
専門家調査業界知見の収集規制、技術、流通、業界慣習の確認専門家の選定が重要

デスクリサーチ

デスクリサーチは、公開されている統計、レポート、論文、IR資料などを調べる手法です。市場調査の初期段階では、まずデスクリサーチから始めます。

デスクリサーチの利点は、短期間で市場の輪郭をつかめることです。人口、GDP、産業統計、貿易統計、企業売上、技術トレンドなどを確認すれば、市場の大きさや成長要因をある程度把握できます。

一方で、無料情報だけでは、細かい製品カテゴリや国別セグメントまで分からない場合があります。その場合は、市場調査レポート、専門家インタビュー、独自アンケートで補います。

市場調査レポート

市場調査レポートは、特定の業界、市場、製品、地域について、市場規模、成長率、予測、主要企業、セグメント別動向などをまとめた資料です。

海外市場やニッチ市場では、市場調査レポートが有効です。公的統計では分類が粗く、企業IRでは個社情報に偏るため、業界全体の市場規模やプレイヤー構造を把握しにくいことがあります。市場調査レポートを使うと、意思決定に必要な情報を短期間で確認できます。

ただし、レポートを選ぶときは、タイトルだけで判断しないほうが安全です。目次、対象地域、調査対象、セグメント、調査年、予測期間、掲載企業を確認し、自社の知りたい問いに合うかを見ます。

※市場調査レポート:特定市場の規模、成長率、予測、主要企業、セグメントなどを整理した調査資料。

アンケート調査

アンケート調査は、複数の回答者から数値化できる回答を集める手法です。認知率、利用率、購入意向、満足度、価格許容度などを把握する際に向いています。

質問設計では、あいまいな表現や誘導的な表現を避けます。「最近」「よく」「高い」のような言葉は、人によって解釈が変わります。期間、頻度、金額、選択肢をできるだけ具体化します。

また、アンケートの対象者がずれていると、きれいなグラフができても判断には使えません。BtoB領域では、利用者、管理者、決裁者、購買担当者で回答が変わるため、誰に聞くかを先に決めます。

出典:総務省統計局「調査票の作成」https://www.stat.go.jp/naruhodo/12_ppdac/plan/plan2.html

インタビュー調査

インタビュー調査は、回答者に話を聞き、購入理由、導入障壁、比較基準、社内意思決定の流れなどを深掘りする手法です。

新規事業やBtoB商材では、インタビューが特に役立ちます。アンケートでは「価格が高い」と回答されても、本当の障壁が予算なのか、稟議の難しさなのか、既存システムとの連携なのかは分かりません。会話の中で背景を確認することで、商品設計や営業戦略に使える示唆が得られます。

一方で、インタビューは少数の声に引っ張られやすい手法です。発言をそのまま市場全体の傾向と見なすのではなく、仮説を作る材料として扱い、必要に応じて定量調査で検証します。

※デプスインタビュー:1人の対象者に対して、背景や理由を深く聞くインタビュー手法。

海外市場やニッチ市場を調べる場合、公開情報だけで必要なデータをそろえるのは難しいことがあります。特に、製品カテゴリが細かい市場、BtoB市場、規制産業、技術変化が速い市場では、市場調査レポートを組み合わせる価値が高くなります。

市場調査レポートを使うと、次のような情報を短時間で確認しやすくなります。

  • 国・地域別の市場規模
  • セグメント別の成長率
  • 主要プレイヤーと競争環境
  • 用途別・業界別の需要動向
  • 市場予測と成長要因
  • 技術トレンド
  • 規制・制度の概要
  • 流通構造

ただし、市場調査レポートは万能ではありません。レポートによって調査範囲や定義が異なります。購入前に、次の点を確認します。

確認項目見るべきポイント
対象市場自社が知りたい製品・用途・地域が含まれているか
対象期間最新年、予測期間、過去推移が必要な範囲と合うか
セグメント地域別、用途別、企業別など必要な切り口があるか
掲載企業競合・候補企業・主要プレイヤーが含まれているか
データ粒度市場規模だけでなく成長要因や競争環境まで見られるか
利用目的事業計画、投資判断、営業資料、社内稟議に使えるか

レポート全体が必要とは限りません。必要なデータが一部の章や表に限られる場合は、必要箇所だけを入手できるか確認すると、費用を抑えられることがあります。

市場調査では、手法そのものよりも、調査前の設計でつまずくケースが多くあります。よくある失敗を知っておくと、不要な調査や使えないデータを減らせます。

失敗例起こる問題対策
目的が曖昧なまま始める情報が集まっても判断できない意思決定事項を先に決める
無料情報だけで判断する市場の粒度が粗く、競争環境を見誤る市場調査レポートや専門家調査を併用する
アンケートから始める質問設計が粗く、使えない回答が集まる先にデスクリサーチで仮説を作る
市場規模だけを見る参入難易度や勝ち筋を見落とす競合、規制、流通、価格も見る
レポートの数字だけを使う定義違いに気づかず誤比較する対象範囲、調査年、算出方法を確認する

特に注意したいのは、市場規模の大きさだけで意思決定することです。市場規模が大きくても、既存企業が強い、規制が厳しい、販売チャネルを確保しにくい、市場が成熟しているといった条件があれば、参入難易度は高くなります。

市場調査では、「大きい市場か」だけでなく、「自社が入り込める市場か」「どこに勝ち筋があるか」まで確認する必要があります。

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市場調査の成果物は、単なる情報の一覧ではなく、社内で意思決定できる形に整えます。経営層、事業責任者、営業、開発、マーケティングでは、知りたい情報が少しずつ違うためです。

実務では、次のような構成にすると使いやすくなります。

  1. 調査目的と意思決定事項
  2. 調査対象市場の定義
  3. 市場規模と成長率
  4. セグメント別の動向
  5. 主要プレイヤーと競争環境
  6. 顧客課題と購買基準
  7. 規制・技術・流通上の論点
  8. 参入機会とリスク
  9. 推奨アクション
  10. 追加調査が必要な論点

数字や出典を並べるだけでは、読み手は判断できません。「この市場は成長しているが、既存競合が強いため、まずは用途Aに絞る」「市場規模は小さいが、規制変更により需要が伸びる可能性がある」のように、解釈と次の行動まで書きます。

海外市場や専門性の高い市場を調べる場合、公的統計や無料レポートだけで十分な情報がそろわないことがあります。市場規模、成長率、主要企業、セグメント別動向、将来予測まで短期間で確認したい場合は、市場調査レポートの活用が有効です。

ShareFair Marketsでは、海外の市場調査レポートを検索し、必要な情報を探すことができます。レポート全体ではなく必要な章やデータだけを確認したい場合、対象市場に合うレポートを探したい場合、英語レポートの内容を日本語で把握したい場合にも利用できます。

市場調査で確認したい問いが決まっている場合は、次のような観点でレポートを探すと候補を絞りやすくなります。

  • 対象国・地域
  • 製品カテゴリ
  • 用途・業界
  • 市場規模や成長率の有無
  • 主要企業の掲載有無
  • セグメント別データの有無
  • 予測期間
  • レポート発行年

既存レポートで不足する情報がある場合は、専門家インタビューや追加調査を組み合わせることで、社内稟議や投資判断に使える情報へ近づけられます。

市場調査は何から始めるべきですか?

市場調査は、調査目的と意思決定事項の整理から始めます。先に「何を決めるための調査か」を決めることで、必要な情報源、調査項目、調査方法を選びやすくなります。

市場調査では無料情報だけで十分ですか?

国内の大きな市場やマクロ情報を知るだけなら、公的統計や官公庁資料で足りる場合があります。一方、海外市場、BtoB市場、ニッチ市場、技術領域では、無料情報だけでは市場規模や競争環境の粒度が不足することがあります。その場合は、市場調査レポートや専門家調査を組み合わせます。

市場調査レポートはどのタイミングで使うべきですか?

デスクリサーチで市場の輪郭をつかんだ後、必要なデータが不足していると分かった段階で使うのが効率的です。最初から購入するのではなく、調査目的、対象市場、必要なデータを整理してからレポートを選ぶと、ミスマッチを減らせます。

アンケート調査とインタビュー調査はどちらを優先すべきですか?

割合や傾向を知りたい場合はアンケート調査、理由や背景を知りたい場合はインタビュー調査を優先します。新規事業の初期段階では、少数のインタビューで課題や仮説を見つけ、その後アンケートで広く検証する進め方もあります。

海外市場調査で特に確認すべき項目は何ですか?

海外市場調査では、市場規模、成長率、主要企業、規制、流通、価格帯、現地顧客の購買基準を確認します。国によって制度や商習慣が異なるため、日本市場の前提をそのまま当てはめないことが重要です。

市場調査のやり方で最も大切なのは、調査前に意思決定事項を明確にすることです。目的が曖昧なまま情報を集めると、資料は増えても判断が進みません。

まず、参入可否、優先市場、ターゲット、価格、投資判断など、調査結果を使って決めたいことを置きます。そのうえで、既存情報を確認し、不足する情報を市場調査レポート、アンケート、インタビュー、専門家調査で補います。

海外市場やニッチ市場では、公開情報だけではデータが足りないことがあります。市場調査レポートを活用すれば、市場規模、成長率、主要プレイヤー、セグメント別動向を短期間で確認しやすくなります。必要な情報を見極め、調査コストと意思決定のスピードを両立させましょう。

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