SWOT分析とは? 目的と使いどころ

SWOT分析とは? 目的と使いどころ

公開日 2026/02/17

最終更新日 2026/06/08

タグはありません

SWOT分析とは、自社や事業を取り巻く状況を「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つに分けて整理するフレームワークです。事業戦略、商品企画、営業戦略、マーケティング施策などを考える前に、現状を俯瞰するために使います。

SWOT分析で大切なのは、4つの枠を埋めることではありません。集めた情報をもとに、「どの強みを活かすのか」「どの弱みを補うのか」「どの機会を取りに行くのか」「どの脅威に備えるのか」を判断することです。

特に市場調査や競合分析を行う場面では、SWOT分析だけで結論を出すのではなく、3C分析、5フォース分析、4P分析、STP分析などの結果を整理する受け皿として使うと、施策に落とし込みやすくなります。

  • SWOT分析の意味と4つの要素
    強み、弱み、機会、脅威の違いと、内部環境・外部環境の分け方を理解できます。

  • SWOT分析のやり方
    目的設定、情報収集、4象限への整理、優先度付け、追加調査、クロスSWOT分析までの流れを把握できます。

  • クロスSWOT分析への落とし込み方
    SO戦略、WO戦略、ST戦略、WT戦略の考え方を、簡単な例とあわせて確認できます。

  • 他のフレームワークとの使い分け
    3C分析、5フォース分析、4P分析、STP分析とSWOT分析の関係を整理できます。

SWOT分析とは、自社や事業の状況を「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つに分けて整理する分析方法です。

4つの要素は、内部環境と外部環境に分けて考えます。内部環境は、自社である程度コントロールできる要素です。外部環境は、市場、顧客、競合、法規制、技術変化など、自社だけでは変えにくい要素です。

分類プラス要因マイナス要因
内部環境強み(Strength)弱み(Weakness)
外部環境機会(Opportunity)脅威(Threat)

たとえば、自社に独自技術がある場合は「強み」です。一方、業界全体で原材料価格が上がっている場合は、自社だけでは変えにくいため「脅威」に入ります。

中小機構の「補助金活用ナビ」でも、SWOT分析は自社の事業状況を強み・弱み・機会・脅威の4項目で整理し、事業の戦略方針を明確にする方法として説明されています。

※内部環境:自社の人材、商品、技術、ブランド、販売チャネル、財務など、自社側にある要素。
※外部環境:市場、顧客、競合、法規制、技術、景気など、自社の外側にある要素。

出典:中小機構「マンガでわかる『SWOT分析』」https://seisansei.smrj.go.jp/problem_solving/comics/swot.html

SWOT分析の目的は、現状を整理し、次の打ち手を考えやすくすることです。情報が散らばったままだと、議論は印象論になりやすくなります。SWOT分析を使うと、自社にとって有利な条件と不利な条件を同じ形式で比較できます。

SWOT分析は、次のような場面で使われます。

活用シーンSWOT分析で整理すること
事業戦略どの市場を狙い、どの強みを活かすか
新規事業参入機会、競合環境、自社の不足要素
商品・サービス企画顧客ニーズ、競合商品、自社商品の差別化要素
マーケティング戦略ターゲット、訴求軸、チャネル、価格の方向性
海外展開国別の機会、規制、競合、自社の対応力
組織・採用人材面の強み、採用市場、定着率、教育体制

市場調査の文脈では、SWOT分析は「調査結果を整理するための枠」として使えます。市場規模や成長率だけを見ても、すぐに戦略は決まりません。競合の強さ、自社の販売力、規制、顧客ニーズまで並べて見ることで、取りに行くべき市場や避けるべきリスクが見えやすくなります。

▼ 関連記事

SWOT分析は、現状を整理するには便利です。ただし、SWOT分析だけで市場規模を算出したり、戦略の正解を自動で出したりすることはできません。使える範囲と限界を分けておくと、過度な期待を避けられます。

SWOT分析でできること

SWOT分析でできることは、内部環境と外部環境を同じ表の中で整理し、戦略の方向性を考えることです。

できること内容
現状整理社内・市場・競合の情報を4象限に分けて整理する
論点の共有チーム内で、事業の前提や課題をそろえる
戦略の方向付け攻める領域、改善する領域、守る領域を考える
追加調査の整理根拠が薄い項目や、不足データを見つける
施策案の発想クロスSWOT分析で打ち手候補を出す

たとえば、営業部門は「価格の高さ」を弱みだと考えていても、顧客インタビューでは「サポート品質が高いので妥当」と受け止められている場合があります。このような認識のずれを表に出せる点も、SWOT分析の利点です。

SWOT分析でできないこと

SWOT分析では、数字の裏付けがない項目も簡単に書けます。そのため、使い方を誤ると、事実ではなく思い込みを整理しただけの表になります。

できないこと注意点
戦略の自動決定表を埋めても、優先順位や意思決定は別途必要
市場規模の推計市場データ、統計、調査レポートなどが必要
未来の予測将来予測には前提条件とデータの確認が必要
顧客理解の代替顧客調査やインタビューを省略できるわけではない
競合分析の代替競合の戦略、価格、チャネルは別途確認が必要

SWOT分析でよくある誤りは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」を思いつきで埋めることです。担当者の主観だけで作ると、項目の重要度が分からず、議論が散らかります。事実、データ、顧客の声をもとに書くことで、分析の精度が上がります。

SWOT分析では、4つの要素を正しく分けることが出発点です。特に、弱みと脅威は混同しやすい項目です。自社で変えられるかどうかを基準に分けると、判断しやすくなります。

強み(Strength)の見つけ方

強みは、自社が競合より優位に立てる要素です。単に「自社が得意だと思っていること」ではなく、顧客や取引先が評価していることを起点にします。

強みを探すときは、次の情報を確認します。

  • 顧客が自社を選んだ理由
  • リピートや継続利用が発生している理由
  • 競合より評価されている機能・品質・対応
  • 独自技術、特許、ノウハウ、販売チャネル
  • 高い利益率や低い解約率につながっている要素

たとえば、「営業担当の対応が速い」「特定業界への導入実績が多い」「海外メーカーとの取引ルートがある」といった要素は、商材や市場によって強みになり得ます。

弱み(Weakness)の見つけ方

弱みは、目標達成の妨げになる内部要因です。自社の努力や投資によって改善できる余地があるものを入れます。

弱みを探すときは、次の情報を見ます。

  • 失注理由
  • 顧客からの不満
  • 競合に劣る機能や価格
  • 人員、予算、ノウハウの不足
  • 営業、開発、サポートなどの業務上のボトルネック

たとえば、「英語対応できる営業人材が少ない」「導入支援に時間がかかる」「認知度が低い」といった要素は、海外展開や新規市場開拓では弱みになりやすい項目です。

※ボトルネック:全体の成果や進行を妨げている制約部分。

機会(Opportunity)の見つけ方

機会は、自社にとって追い風になる外部環境です。市場の成長、規制緩和、顧客ニーズの変化、競合の撤退などが含まれます。

機会を探すときは、次の情報源を確認します。

  • 公的統計
  • 官公庁や独立行政法人の調査レポート
  • 業界団体の資料
  • 企業IR資料
  • 市場調査レポート
  • 顧客調査、アンケート、インタビュー

国内市場の基礎データを調べる場合、e-Statでは各府省が公表する統計データを検索できます。海外市場では、JETROが国・地域別の調査レポートを公開しています。市場規模や競争環境を細かい製品カテゴリで把握したい場合は、市場調査レポートも候補になります。

出典:総務省統計局・統計センター「政府統計の総合窓口(e-Stat)」https://www.e-stat.go.jp/
出典:日本貿易振興機構(JETRO)「調査レポート」https://www.jetro.go.jp/world/reports/

脅威(Threat)の見つけ方

脅威は、自社にとって逆風になる外部環境です。自社だけでは変えにくい変化を入れます。

脅威には、次のようなものがあります。

  • 新規参入の増加
  • 代替品の普及
  • 原材料価格や物流コストの上昇
  • 為替変動
  • 法規制の強化
  • 人口減少や顧客層の縮小
  • 技術の陳腐化

たとえば、円安によって輸入部材のコストが上がる場合、その為替変動自体は脅威です。一方、為替変動に対応する価格改定が遅い、複数の調達先を持っていない、といった点は自社の弱みに入ります。

強み・弱み・機会・脅威の典型例

4象限に入れる項目は、業界や分析テーマによって変わります。最初は、次のような例を参考にしながら、自社の状況に置き換えて考えます。

分類典型例
強み独自技術、専門人材、既存顧客基盤、ブランド、販売チャネル、品質、サポート体制
弱み認知度不足、人材不足、開発スピードの遅さ、コスト高、海外対応不足、データ不足
機会市場拡大、規制緩和、補助金、顧客ニーズの変化、競合撤退、新技術の普及
脅威市場縮小、規制強化、価格競争、代替品、新規参入、原材料高騰、為替変動

ここで注意したいのは、同じ事象でも会社によって分類が変わることです。たとえば「AIの普及」は、AIを活用できる会社にとっては機会です。対応が遅れている会社にとっては、競争力を失う脅威になります。

SWOT分析は、次の5ステップで進めると、単なる情報整理で終わりにくくなります。

  1. テーマと目的を決める
  2. 情報収集を行う
  3. SWOTを整理して優先度を付ける
  4. 仮説を立てて追加調査する
  5. クロスSWOTで打ち手候補を整理する

1. テーマと目的を決める

最初に、何についてSWOT分析を行うのかを決めます。対象が広すぎると、項目が抽象的になります。

たとえば、「自社のSWOT分析」では範囲が広すぎます。次のようにテーマを絞ると、集める情報が明確になります。

悪い例良い例
自社の戦略を考える法人向け新商品の販売戦略を考える
海外展開を検討するベトナム市場への参入可否を検討する
マーケティングを改善する既存商品のリード獲得施策を見直す
採用を強化するエンジニア採用の応募数と内定承諾率を改善する

テーマを決めたら、意思決定事項も置きます。「参入するか」「撤退するか」「どの顧客層を狙うか」「どの施策を優先するか」まで決めておくと、調査がぶれにくくなります。

2. 情報収集を行う

SWOT分析では、事実に基づいて項目を出します。会議室で思いつきを並べるだけでは、担当者の経験や声の大きさに左右されます。

最低限、次のような情報を確認します。

情報の種類確認する内容
社内データ売上、利益率、顧客数、解約率、商談数、失注理由
顧客情報アンケート、インタビュー、問い合わせ、クレーム、レビュー
競合情報価格、機能、導入事例、販売チャネル、訴求メッセージ
市場情報市場規模、成長率、規制、需要動向、技術動向
外部環境政策、景気、人口動態、為替、物流、法改正

データを見る期間は、分析テーマによって変わります。売上や顧客数の傾向を見る場合は、直近3〜5年分を確認すると変化を追いやすくなります。競合比較では、主要3〜5社を対象にすると、初期分析としては扱いやすい粒度になります。

アンケートを行う場合は、質問票の設計にも注意が必要です。総務省統計局は、調査票作成において、取りたいデータと集計表をイメージしながら調査項目を作ること、あいまいな言葉や誘導的な質問を避けることを示しています。

※デスクリサーチ:公的統計、既存レポート、IR資料、論文など、すでに存在する情報を調べる方法。

出典:総務省統計局「調査票の作成」https://www.stat.go.jp/naruhodo/12_ppdac/plan/plan2.html

▼ 関連記事

3. SWOTを整理して優先度を付ける

情報を集めたら、4象限に振り分けます。このとき、似た項目をまとめ、意味が重なる表現を減らします。

たとえば、「認知度が低い」「指名検索が少ない」「展示会で名前を知られていない」は、すべて同じ弱みを指している可能性があります。まとめると、「ターゲット市場での認知不足」と整理できます。

次に、優先度を付けます。すべての項目を同じ重さで扱うと、打ち手が散らばります。次の2軸で見ます。

評価軸見ること
影響度売上、利益、顧客獲得、参入可否にどれだけ影響するか
確からしさデータや顧客の声でどれだけ裏付けられているか

影響度が高く、根拠もある項目から検討します。影響度は高いが根拠が薄い項目は、次のステップで追加調査します。

4. 仮説を立てて追加調査する

SWOT分析で埋まらない箇所や、根拠が弱い項目は、仮説として扱います。

たとえば、次のような項目です。

  • 「海外市場で需要があるはず」
  • 「競合は価格で勝っているはず」
  • 「自社のサポート品質は強みになるはず」
  • 「規制対応が参入障壁になるはず」

この段階では、まだ断言しません。公的統計、市場調査レポート、競合調査、顧客インタビューなどで確認します。仮説が外れた場合は、SWOT表を修正します。修正されること自体は問題ではありません。むしろ、思い込みが早い段階で消えるため、意思決定の精度が上がります。

5. クロスSWOTで打ち手候補を整理する

SWOTの4象限を整理したら、強み・弱みと機会・脅威を掛け合わせます。これがクロスSWOT分析です。

通常のSWOT分析は、現状整理に向いています。一方、クロスSWOT分析は、施策案を出す段階で使います。

※クロスSWOT分析:強み・弱みと機会・脅威を掛け合わせ、戦略や施策案を考える方法。

クロスSWOT分析では、SWOT分析で整理した4要素を組み合わせ、4種類の戦略を考えます。

分類考え方方向性
SO戦略強み × 機会強みを活かして機会を取りに行く
WO戦略弱み × 機会機会を逃さないために弱みを補う
ST戦略強み × 脅威強みを使って脅威に備える
WT戦略弱み × 脅威損失を抑える、撤退や縮小も検討する

クロスSWOT分析で出した施策は、すべて実行する必要はありません。人員、予算、時間には制約があります。施策案を出した後は、効果と実現可能性を見て、優先順位を付けます。

SO戦略(強み×機会)

SO戦略は、自社の強みを使って、外部の機会を取りに行く考え方です。成長機会があり、自社にも活かせる資産がある場合に向いています。

例:特定業界に導入実績があるBtoB SaaS企業が、その業界でDX投資が増えている状況を受け、同業界向けの導入支援パッケージを強化する。

SO戦略は、リソースを集中しやすい領域です。まずはここから打ち手を考えると、前向きな施策を出しやすくなります。

WO戦略(弱み×機会)

WO戦略は、機会はあるものの、自社の弱みが障害になっている場合の考え方です。弱みを補うことで、機会を取りに行きます。

例:海外需要はあるが英語対応できる営業担当が少ない場合、現地代理店との提携や英語資料の整備から始める。

WO戦略では、弱みをすべて解消しようとすると時間がかかります。機会を取りに行くうえで、どの弱みを先に補うかを絞ります。

ST戦略(強み×脅威)

ST戦略は、外部の脅威に対して、自社の強みで対応する考え方です。市場環境が厳しいときでも、自社の強みを守りに使えます。

例:価格競争が強まっている市場で、サポート品質や専門知識を活かし、価格ではなく導入後の成果を訴求する。

ST戦略では、脅威そのものを消すことはできません。代わりに、脅威の影響を受けにくいポジションを探します。

WT戦略(弱み×脅威)

WT戦略は、弱みと脅威が重なるリスクを抑える考え方です。状況によっては、縮小、撤退、保留も選択肢になります。

例:市場が縮小しており、自社の収益性も低い商品について、追加投資を止め、既存顧客対応に限定する。

WT戦略は、後ろ向きな判断に見えることがあります。しかし、損失を広げない判断も戦略の一部です。新しい施策に予算を使うために、やらないことを決める意味があります。

クロスSWOT分析の簡単な当てはめ例

ここでは、架空のBtoB向け業務支援サービスを例にします。

SWOT項目内容
強み特定業界の業務知識が深く、導入支援の満足度が高い
弱み認知度が低く、営業人員も限られている
機会業界内でシステム更新需要が増えている
脅威大手ベンダーが同領域に参入している

この場合、クロスSWOT分析では次のように考えられます。

分類打ち手候補
SO戦略特定業界向けの導入支援事例を前面に出し、同業界への営業を強める
WO戦略認知不足を補うため、業界メディアへの寄稿やウェビナーを実施する
ST戦略大手ベンダーとの差別化として、現場業務への理解と支援体制を訴求する
WT戦略大手と正面衝突する大企業向け案件を避け、中堅企業向けに対象を絞る

この例では、最初に検討しやすいのはSO戦略です。ただし、営業人員が少ない場合は、WO戦略として認知獲得の仕組みづくりも必要になります。

SWOT分析は、テーマによって見るべき情報が変わります。全社戦略、商品企画、個人のキャリアを同じ粒度で分析すると、項目がぼやけます。

企業・事業戦略でSWOT分析を進めるときのポイント

企業・事業戦略では、市場と競合、自社の経営資源を見ます。特に、どの市場で勝つのか、どの領域から撤退するのかを考える場面で使います。

確認する主な情報は次の通りです。

  • 市場規模、成長率
  • 主要競合と市場シェア
  • 顧客セグメント
  • 自社の売上、利益率、リソース
  • 法規制、技術変化、流通構造

事業戦略のSWOT分析では、3C分析や5フォース分析の結果を組み合わせると整理しやすくなります。3C分析では顧客・競合・自社の関係を見ます。5フォース分析では、業界の収益性や競争構造を確認します。

▼ 関連記事

商品・サービス企画でSWOT分析を進めるときのポイント

商品・サービス企画では、顧客ニーズ、競合商品、自社商品の差別化要素を見ます。市場全体の話だけでなく、具体的なターゲットや利用シーンまで落とし込みます。

確認する主な情報は次の通りです。

  • 顧客の課題
  • 既存商品への不満
  • 競合商品の機能、価格、サポート
  • 自社商品の強み、弱み
  • 販売チャネル、プロモーション手段

商品・サービス企画では、4P分析や4C分析と組み合わせると、施策に落とし込みやすくなります。4P分析は企業側の施策を整理する方法です。4C分析は顧客側の視点から価値や負担を整理する方法です。

▼ 関連記事

個人のキャリア・自己分析でSWOT分析を進めるときのポイント

SWOT分析は、キャリアや自己分析にも使えます。ただし、企業分析と同じように扱うと抽象的になります。転職、異動、スキルアップなど、目的を絞って使います。

たとえば、転職を考える場合は次のように整理できます。

分類
強み実務経験、専門スキル、業界知識、成果実績
弱み未経験領域、資格不足、マネジメント経験の少なさ
機会採用需要の増加、成長業界、リモート勤務の普及
脅威競争の激化、求められるスキルの変化、景気悪化

個人向けに使う場合も、最後は打ち手に落とします。「資格を取る」だけでなく、「どの職種の応募条件を満たすために、いつまでに何を学ぶか」まで決めると行動に移しやすくなります。

SWOT分析のアウトプットは、4象限の表と、そこから導いた施策案をセットにします。表だけでは、次の行動が分かりません。

基本のSWOTシート例と書き方

基本のSWOTシートは、次の形式で作れます。表計算ソフトやスライドで4象限を作れば十分です。

プラス要因マイナス要因
内部環境強み:顧客が評価していること、競合より優れていること弱み:目標達成の妨げになる自社側の課題
外部環境機会:市場や顧客、制度などの追い風脅威:市場や競合、制度などの逆風

記入するときは、各項目を短く書きます。「営業力が弱い」だけでは不十分です。「エンタープライズ向けの営業経験者が少ない」のように書くと、次の打ち手につながります。

クロスSWOTのマトリクス例と使い方

クロスSWOTでは、4象限を掛け合わせて施策案を出します。

機会脅威
強みSO戦略:強みを活かして機会を取るST戦略:強みで脅威に備える
弱みWO戦略:機会を取るために弱みを補うWT戦略:弱みと脅威が重なるリスクを抑える

施策案が多く出た場合は、効果と実現可能性で絞ります。初期段階では、上位3つ程度に絞ると、実行計画に移しやすくなります。

参考にできる公的支援機関の資料

本記事では、独自のダウンロードテンプレートは用意していません。SWOT分析の考え方を確認したい場合は、中小機構の解説が参考になります。自社の経営状態を整理する目的では、経済産業省のローカルベンチマークも活用できます。

ローカルベンチマークは、企業の経営状態の把握を行うツールとして経済産業省が公開しているものです。SWOT分析そのもののテンプレートではありませんが、財務情報や商流、業務フロー、非財務情報を整理する際の参考になります。

出典:中小機構「マンガでわかる『SWOT分析』」https://seisansei.smrj.go.jp/problem_solving/comics/swot.html
出典:経済産業省「ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)」https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/

SWOT分析の次に行うことは、分析結果を施策と実行計画に変えることです。表を作るだけでは成果につながりません。

他フレームワークとの違いと使い分け

SWOT分析は、他のフレームワークと組み合わせて使うと効果が出やすくなります。

フレームワーク主な用途SWOT分析との関係
3C分析顧客・競合・自社を整理するSWOTの内部・外部要因の材料になる
5フォース分析業界の競争構造を見る脅威や参入障壁の整理に使える
STP分析セグメント、ターゲット、ポジションを決めるSWOT後の狙う市場の具体化に使える
4P分析商品、価格、流通、販促を整理するSWOT後の施策設計に使える
4C分析顧客価値、負担、利便性、コミュニケーションを見る顧客視点で施策を見直すときに使える
KPTKeep、Problem、Tryで振り返る実行後の改善に使える

SWOT分析は、情報を整理し、方向性を出すためのフレームワークです。顧客理解を深めるなら3C分析や定性調査、施策に落とすなら4P分析やSTP分析が役立ちます。

▼ 関連記事

SWOT分析の結果からアクションプランに落とし込む

SWOT分析の結果は、次の形に整理すると実行しやすくなります。

項目書く内容
戦略の方向性どの市場・顧客・商品に注力するか
採用する施策具体的に何を行うか
根拠SWOT分析でどの項目に基づくか
担当者誰が進めるか
期限いつまでに実行するか
KPI何を見て成果を判断するか

たとえば、SO戦略として「特定業界向けの導入事例を活かしてリード獲得を強化する」と決めた場合、次のように落とし込みます。

項目
施策特定業界向けの事例記事とウェビナーを作る
根拠強み:導入支援の実績、機会:業界内の更新需要
担当マーケティング部、営業部
期限次四半期末まで
KPI事例記事経由の問い合わせ数、ウェビナー参加数、商談化率

KPIは、施策の進捗を見るための指標です。問い合わせ数、商談化率、成約率、継続率、売上など、施策に合うものを選びます。

※KPI:目標達成に向けた進捗を測るための指標。

SWOT分析は何から始めればよいですか?

最初に、分析テーマと意思決定事項を決めます。たとえば「新商品を売るべきか」「海外市場に参入するか」「どの顧客層を優先するか」まで決めると、必要な情報を集めやすくなります。

SWOT分析と3C分析の違いは何ですか?

3C分析は、顧客、競合、自社の関係を見るフレームワークです。SWOT分析は、3C分析などで得た情報を、強み・弱み・機会・脅威に分けて整理する方法です。3C分析で材料を集め、SWOT分析で戦略の方向性を整理する使い方ができます。

クロスSWOT分析は必ず行う必要がありますか?

SWOT分析を施策につなげたい場合は、クロスSWOT分析まで行うと整理しやすくなります。通常のSWOT分析だけでは現状整理で止まりやすいためです。強みと機会、弱みと脅威などを掛け合わせることで、打ち手候補を出せます。

SWOT分析でよくある失敗は何ですか?

よくある失敗は、思いつきだけで項目を埋めることです。根拠のない「強み」や「機会」が並ぶと、施策の優先順位を決められません。社内データ、顧客の声、競合情報、市場データを確認したうえで記入します。

SWOT分析はどのくらいの頻度で見直しますか?

市場や競合の変化が大きい場合は、四半期や半期ごとに見直すと変化を捉えやすくなります。中長期の事業戦略では、年度計画の策定時や主要施策の見直し時に更新します。法規制、為替、技術変化などの外部要因が変わった場合も、見直しのタイミングです。

SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威を4象限に分けて、事業や施策の現状を整理する方法です。表を埋めるだけではなく、どの強みを活かすのか、どの弱みを補うのか、どの機会を取りに行くのかを考えるために使います。

精度を上げるには、事実に基づいた情報収集が欠かせません。社内データ、顧客の声、競合情報、公的統計、市場調査レポートを確認し、根拠の薄い項目は追加調査で確かめます。

SWOT分析の後は、クロスSWOT分析で施策候補を出し、効果と実現可能性を見て優先順位を付けます。必要に応じて3C分析、5フォース分析、STP分析、4P分析なども組み合わせると、現状整理から実行計画までつなげやすくなります。

© 2026 ShareFair Inc.